プロフィール

コーヒーを通じ、ホンジュラスと日本の懸け橋に

店主紹介

Puntalto(プンタルト)店主の高橋祥子と申します。

「プンタルト」は、スペイン語のpuente(=橋、プエンテ)、alto(=高い、アルト)を縮めたもの。そうです。私の名前「高橋」という意味です。

そして、もう一つ意味があります。
Punto(=点数、プント)、 alto(=高い、アルト)。つまり国際審査基準(COE)基準で高得点を取った豆だけを取り扱う、当店のコーヒーのこだわりを表しています。

私は昔からコーヒーが好きでしたが、このように海外から豆を輸入し、自分で焙煎をして販売までするようになるとは、夢にも思いませんでした。これはひとえにホンジュラスで素晴らしい高品質のコーヒー、素朴で愛すべき農家の方々と出会ったおかげなのです。

中米での7年半、コーヒー生産者との出会い

ホンジュラスでのコーヒーとの出会い

私たち家族が中米で暮らしていたのは、1996年から2015年の間の7年半。国際協力の仕事に従事している夫の赴任がきっかけです。1996年からドミニカ共和国、2005年からエルサルバドル共和国、そして2013年からホンジュラス共和国で暮らしました。

ドミニカ共和国には、ハイチとの国境近くに良質のコーヒー産地があります。当時、小さかった子供たちと、コーヒーのチェリーを摘む経験をしました。

エルサルバドルもまた、コーヒーの生産地として今では日本でも大変人気があります。滞在した2年間に、現地の方々からどれほどたくさんのコーヒーの話を聞かせていただいたことか。これは今も私の財産になっています。

そして2013年からはホンジュラスに滞在し、スペシャルティコーヒーを知ることになりました。スペシャルティコーヒーというのは、国際審査基準(COE)で80点以上の高品質のコーヒー。国際審査員がコーヒーの酸味、甘味、クリーンさ、質感や特性、バランスなどを総合的に審査して評価されたコーヒーで、業界内ではブルーマウンテンやキリマンジャロより上にランク付けされています。

プンタルトの始まり

現地の農家から直接買ったコーヒーでその美味しさを知り、何杯でも飲むことができました。。夫婦でコーヒーにのめりこみ、週末にはコーヒー農園の見学にも行きました。夫は現地の方から手焙煎を教えてもらい、週末に網の手焙煎で1週間分の焙煎をし、毎日ホンジュラスコーヒーを堪能しました。

今では知る人ぞ知るホンジュラスコーヒーですが、当時は日本であまり販売されておらず、知名度はとても低かったと思います。夫の海外勤務が終わり、帰国が決まったとき、こんな素晴らしいコーヒーを知らないのはもったいない、是非日本で紹介したいと思いました。そして、この美味しいホンジュラスのコーヒーを広めたい一心で、コーヒー豆500キロを買いつけ、帰国したのです。

それがプンタルトの始まりでした。

豆の品質の良さが コーヒー通を魅了

高品質なホンジュラスコーヒーの良さを引き出すために研究と猛勉強

コーヒーを広めると言っても、そう簡単なことではありません。

現地では自己流で焙煎をして飲んでいましたが、販売するとなるとそうはいきません。コーヒーについての講習会があると聞けば通って猛勉強し、焙煎方法や味の違いなどについて研究を重ねました。

そのうちに、ホンジュラスコーヒーの美味しさを認めてくださる豆専門店やカフェのオーナーさんが出てきました。豆に合った抽出方法や焙煎方法を教えてほしいと、声をかけてくださる方も増えてきました。

コーヒーの味の違いは、8割は豆本来の良さ、残りの2割が焙煎や淹れ方で決まると言われています。今は、あえて浅煎りにして豆そのもののフルーティーな味覚を味わう飲み方が流行していますが、それも高品質の豆だからこそできること。コーヒー通の方がリピートして買ってくださったり、「コーヒーは苦手」「ブラックは飲めない」という方でもプンタルトのコーヒーは美味しいとおっしゃっていただけるのも、何より豆の品質の良さのおかげだと思っています。

フェアトレードでホンジュラスの小規模農家を応援

ホンジュラスコーヒーを日本に広めたい

私が住んでいた当時、ホンジュラスは世界の非戦争国の中で最も治安の悪い国と言われていました。ホンジュラスの農家は決して裕福というわけではありません。でも、自分たちが生産するコーヒーを誇りに思い、まじめで努力を惜しまず、何より日本びいきです。

プンタルトがお願いしている農園はニジェール川近くのマルカラという地区にあり、小規模農家がコーヒー豆を有機農法で栽培しており、小ロット生産で丁寧に手間をかけて作っています。

プンタルトが、マルカラからの直輸入にこだわるのは、コーヒーの味もさることながら、彼らの心をこめて作ったコーヒー豆をフェアトレード(公正貿易)で販売し、コーヒー豆の生産農家を応援したいという思いもあるからです。

一杯のコーヒーが日本人の心を癒し、ホンジュラスの人々の暮らしを応援できること。コーヒーを通じて、ホンジュラスと日本の懸け橋になれれば、私にとってこんなにうれしいことはありません。